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藤村 豪 個展『誰かの主題歌を歌うときに』

藤村 豪 × 深川 雅文 往復書簡パフォーマンス

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藤村豪(アーティスト)と深川雅文(キュレーター/クリティック)が行う、往復書簡パフォーマンスをご覧頂けます。

藤村豪個展『誰かの主題歌を歌うときに』に際し、会期直前から会期終了までの6週間に渡り、ギャラリーがフィルターとして介在しながら、二人の間で行われる文通は、「日本語→ポルトガル語→日本語」と2度の自動翻訳を経て、内容に一部ズレが生じた状態でお互いにやりとりが行われます。

※2020年7月3日(金)をもちまして、本パフォーマンスは完結いたしました。

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*両者からの手紙はギャラリーにEメールで送られ、翻訳済の文章のみが相手に転送されます。

(深川氏の論考タイトル「デサフィナード(調子はずれ)」がポルトガル語であることにちなみ、言語選択が行われました)

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原文 

赤:藤村の手紙 

青:深川の手紙

翻訳文 

ピンク:藤村の手紙(を、自動翻訳したもの) 

水 色:深川の手紙(を、自動翻訳したもの)

05.30  |  06.05  |  06.11  |  06.13  |  06.18

06.20  |  06.29  |  07.02 [1]  |  07.02 [2]  |  07.03

藤村豪の行う往復書簡

Jul 3, 2020

藤村

 

受け取った手紙に「twitter bird」という言葉が出てきて、驚いたかのように笑いました。私が書いた言葉は「鳥のさえずり」でしたが、「Twitter」の青い鳥のタグが思い浮かびました。フジムラの作品「フランスパンの夢の歴史について」(2010)の写真でフランスパンが昇る青空の「青い鳥」を探しました。

 

藤村さんの書き方がコミュニケーションのスタイルを変えたと書いてありました。気づきませんでしたが、コミュニケーションを続けるうちに、響きあう言葉の世界を旅しているような気がしました。明らかに、完全な子音が不可能であることを否定することはできず、常に調子が狂っています。故障している状態があることが原因であったに違いありません。これはおそらく彼らのコミュニケーションの基礎でした。その意味では、藤村さんが言ったように、完全なコミュニケーションだったと言えます。どこで単語が生まれ、どこに戻ってくるかについて考えなければなりません。

 

鳥は空を飛んでおり、フランスパンは空を飛んでおり、受け皿は空を飛んでいました。 1947年6月24日、アメリカ人のケネスアーノルドは、彼が運営する小型飛行機で彼に会った後、新聞編集者に報告しました。 「フライングソーサー」という言葉の誕生です。また、「未確認飛行物体」(UFO)という言葉が彼から生まれました。実際、先週の水曜日は「UFOメモリアルデー」でした。最初の観測報告から70年以上になります。今年の4月27日、米国国防総省は、YouTubeで流されたUFOビデオ(最新の海軍戦闘機のカメラで撮影)を本物と認識し、UAP造語(未確認の空中現象)として説明しました)。正式リリース。日本でも広く報道された。

 

スマートフォンの普及に伴い、世界中で映画が撮影され、目撃情報が急速に増加しました(主にブラジル)。グーグルムーンとグーグルマーズの詳細な写真マップと、火星に送られた無人のカメラとロボットエクスプローラーであるキュリオシティによってNASAに送られた写真は、毎日リリースされ、ネットワーク上では地球外の奇妙な現象ですドットだらけ。カメラのパワーはすごいと思います。彼らは今、私たちの意識の限界にいます。しかし、ある日突然、この未知の感染症として現れるかもしれません。認識の重要性が感じられるのはこの時です。

 

藤村の息子は、将来、何を飛んでいると思いますか?


 

深川雅文

深川雅文の行う往復書簡

Jul 3, 2020

藤村さん

 

いただいたお手紙に「鳥のツイッター」という言葉が出てきて、不意打ちをされたような感じで笑ってしまいました。書き送ったのは「鳥のさえずり」という言葉だったのですが、“ツイッター”の青い鳥のマークが浮かんできたのです。僕は、その「青い鳥」を、藤村さんの作品「フランスパンの夢の話について」(2010)の写真に写されたフランスパンが舞い上がる青い空の中に探してしまいました。

 

コミュニケーションにより、藤村さんの文章スタイルが変わったと書かれていました。僕は気付きませんでしたが、お互いコミュニケーションを続けるなかで、どこかで互いに響きあう言葉の世界を旅しているという感覚はありました。もちろん、完全な協和音は不可能であり、つねにどこか調子外れの言葉であったことは否めませんが。外れる調子があるということは、その元となる調子があったはずです。そこがおそらく二人のコミュニケーションの基盤だったのでしょう。その意味で、たしかに藤村さんが言うように、完全にコミュニケーションであったと言えるのかもしれません。言葉がどこから生まれ、どこに帰っていくのか、その「どこ」に想いを馳せなければなりません。

 

鳥は空を飛び、フランスパンが空を飛び、円盤も空を飛んでいたようです。1947年6月24日、アメリカ人、ケネス・アーノルドは、自らが操縦する小型飛行機で「それ」に遭遇し出来事を新聞社に報告しました。「空飛ぶ円盤」(Flying Saucer)という言葉の誕生です。さらに、そこから「Unidentified Flying Object」(UFO)という言葉が生まれました。実は、先週の水曜日は「UFO記念日」でした。最初の目撃報告から70年以上経つのですね。今年の4月27日、アメリカ国防省は、YouTubeに流失したUFO映像(海軍の最新鋭の戦闘機のカメラで捉えられていた)を本物と認め、UAP(unidentified aerial phenomena) という造語で形容して公式リリースしました。日本でも大きく報道されましたね。

 

スマートフォンが普及し世界各地で動画撮影され、目撃情報が急激に増加しています(ブラジルも多いんです)。Google MoonやGoogle Marsの緻密な写真地図そして火星に送られたカメラ・ロボットの無人探査機キュリオシティーが日々NASAに送ってくる写真は公開されており、ネット上は地球外での不思議な現象の指摘に満ちています。カメラの力は凄いなと思います。それらは現在では私たちの意識の境界に漂っています。ただ、それは今回の未知の感染症のようにある日、突然に姿を見せる可能性があるのかもしれません。認識の臨界が感じられる今日この頃です。

 

将来、藤村さんの息子さんは、何を空を飛ぶものとして見るのでしょうか?

 

 

深川雅文

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05.30  |  06.05  |  06.11  |  06.13  |  06.18

  06.20  |  06.29 07.02 [1]  |  07.02 [2]  |  07.03

原文同士のやりとり

※パフォーマンスの副産物として生じた実在しない対話

Jul 3, 2020

藤村さん

 

いただいたお手紙に「鳥のツイッター」という言葉が出てきて、不意打ちをされたような感じで笑ってしまいました。書き送ったのは「鳥のさえずり」という言葉だったのですが、“ツイッター”の青い鳥のマークが浮かんできたのです。僕は、その「青い鳥」を、藤村さんの作品「フランスパンの夢の話について」(2010)の写真に写されたフランスパンが舞い上がる青い空の中に探してしまいました。

 

コミュニケーションにより、藤村さんの文章スタイルが変わったと書かれていました。僕は気付きませんでしたが、お互いコミュニケーションを続けるなかで、どこかで互いに響きあう言葉の世界を旅しているという感覚はありました。もちろん、完全な協和音は不可能であり、つねにどこか調子外れの言葉であったことは否めませんが。外れる調子があるということは、その元となる調子があったはずです。そこがおそらく二人のコミュニケーションの基盤だったのでしょう。その意味で、たしかに藤村さんが言うように、完全にコミュニケーションであったと言えるのかもしれません。言葉がどこから生まれ、どこに帰っていくのか、その「どこ」に想いを馳せなければなりません。

 

鳥は空を飛び、フランスパンが空を飛び、円盤も空を飛んでいたようです。1947年6月24日、アメリカ人、ケネス・アーノルドは、自らが操縦する小型飛行機で「それ」に遭遇し出来事を新聞社に報告しました。「空飛ぶ円盤」(Flying Saucer)という言葉の誕生です。さらに、そこから「Unidentified Flying Object」(UFO)という言葉が生まれました。実は、先週の水曜日は「UFO記念日」でした。最初の目撃報告から70年以上経つのですね。今年の4月27日、アメリカ国防省は、YouTubeに流失したUFO映像(海軍の最新鋭の戦闘機のカメラで捉えられていた)を本物と認め、UAP(unidentified aerial phenomena) という造語で形容して公式リリースしました。日本でも大きく報道されましたね。

 

スマートフォンが普及し世界各地で動画撮影され、目撃情報が急激に増加しています(ブラジルも多いんです)。Google MoonやGoogle Marsの緻密な写真地図そして火星に送られたカメラ・ロボットの無人探査機キュリオシティーが日々NASAに送ってくる写真は公開されており、ネット上は地球外での不思議な現象の指摘に満ちています。カメラの力は凄いなと思います。それらは現在では私たちの意識の境界に漂っています。ただ、それは今回の未知の感染症のようにある日、突然に姿を見せる可能性があるのかもしれません。認識の臨界が感じられる今日この頃です。

 

将来、藤村さんの息子さんは、何を空を飛ぶものとして見るのでしょうか?

 

 

深川雅文

自動翻訳文のやりとり

※パフォーマンスの副産物として生じた実在しない対話

Jul 3, 2020

藤村

 

受け取った手紙に「twitter bird」という言葉が出てきて、驚いたかのように笑いました。私が書いた言葉は「鳥のさえずり」でしたが、「Twitter」の青い鳥のタグが思い浮かびました。フジムラの作品「フランスパンの夢の歴史について」(2010)の写真でフランスパンが昇る青空の「青い鳥」を探しました。

 

藤村さんの書き方がコミュニケーションのスタイルを変えたと書いてありました。気づきませんでしたが、コミュニケーションを続けるうちに、響きあう言葉の世界を旅しているような気がしました。明らかに、完全な子音が不可能であることを否定することはできず、常に調子が狂っています。故障している状態があることが原因であったに違いありません。これはおそらく彼らのコミュニケーションの基礎でした。その意味では、藤村さんが言ったように、完全なコミュニケーションだったと言えます。どこで単語が生まれ、どこに戻ってくるかについて考えなければなりません。

 

鳥は空を飛んでおり、フランスパンは空を飛んでおり、受け皿は空を飛んでいました。 1947年6月24日、アメリカ人のケネスアーノルドは、彼が運営する小型飛行機で彼に会った後、新聞編集者に報告しました。 「フライングソーサー」という言葉の誕生です。また、「未確認飛行物体」(UFO)という言葉が彼から生まれました。実際、先週の水曜日は「UFOメモリアルデー」でした。最初の観測報告から70年以上になります。今年の4月27日、米国国防総省は、YouTubeで流されたUFOビデオ(最新の海軍戦闘機のカメラで撮影)を本物と認識し、UAP造語(未確認の空中現象)として説明しました)。正式リリース。日本でも広く報道された。

 

スマートフォンの普及に伴い、世界中で映画が撮影され、目撃情報が急速に増加しました(主にブラジル)。グーグルムーンとグーグルマーズの詳細な写真マップと、火星に送られた無人のカメラとロボットエクスプローラーであるキュリオシティによってNASAに送られた写真は、毎日リリースされ、ネットワーク上では地球外の奇妙な現象ですドットだらけ。カメラのパワーはすごいと思います。彼らは今、私たちの意識の限界にいます。しかし、ある日突然、この未知の感染症として現れるかもしれません。認識の重要性が感じられるのはこの時です。

 

藤村の息子は、将来、何を飛んでいると思いますか?


 

深川雅文

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