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小松浩子 個展『Channeled Drawing』

▼オープニングレセプション

12月2日(土)18:00〜19:00

■会          期

2023年12月2日(土)~ 2024年1月20日(土)

水〜金 13:00〜20:00|土 12:00〜19:00 (日・月・火・祝休廊)

※冬季休廊:12/24(日)〜1/16(火)

■会  場   

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY

〒106-0031 東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布 5F

□主 催:カナカワニシアートオフィス合同会社

□共 催:写真の会

□協 力:オリエンタル写真工業株式会社

▼第33回「写真の会」賞 授賞式+受賞パーティー

日 時:

 

場 所:

参加費:

主 催:

2024年1月20日(土)※閉廊後におこないます

19:15 受付開始|19:30-21:30 受賞記念パーティー

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY

2,000円(どなたでもご参加いただけます)

写真の会(協力:カナカワニシアートオフィス合同会社)

Channeled Drawing 35.690642, 139.591094

2020 | conté on tracing paper, gelatin silver print | drawing: 297 × 210 mm, print: 254 × 203 mm

©︎ Hiroko Komatsu, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYは、2023年12月2日(土)より小松浩子個展『Channeled Drawing』を開催いたします。


夥しいほどの量の写真を、例えばロール紙のまま天井から床上まで広げたり、巻いたままの状態で不可視性も含めて提示するなど圧倒的な量感で展示する姿勢で知られる小松浩子ですが、本展「Channeled Drawing」は一転し、額装された白と黒の対になるミニマルな作品で構成されます。


〈Channeled Drawing〉は、地面をフロッタージュ(凹凸の上に紙をのせ、鉛筆やクレヨンなどでこすって模様を写し取る技法)した紙と、その紙をフォトグラム(印画紙の上に直接物を置いて感光させるなどの方法により制作された写真作品)にて写真に転化させた作品が、対を成すシリーズです。余白部分には、緯度経度・年・手法/被害者数が印字されており、フロッタージュされた地点は殺人事件現場跡であることが示されています。

殺人事件のなかでも、特にシリアルキラー(連続殺人犯)に興味があるとトークイベントでも語っていた小松は、道徳的に否とされる行為に駆り立てられてしまう衝動の奥にあるものへの関心が制作動機であると言います。暴力的な絶命は負の記憶のはじまりでもあり、加害者と被害者は表裏一体の円環に位置しているのかも知れず、作品のミニマルな表象からいくつもの根源的な疑問が導き出されるかのようです。


弊廊での初個展となる小松浩子「Channeled Drawing」を、是非お見逃しなくご高覧ください。

“Channeled Drawing 35.625974, 139.451745”

“Channeled Drawing 35.625974, 139.451745”

2022 | conté on tracing paper, gelatin silver print | drawing: 297 × 210 mm, print: 254 × 203 mm | ©︎ Hiroko Komatsu, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

“Channeled Drawing 35.652947, 139.415644”

“Channeled Drawing 35.652947, 139.415644”

2022 | conté on tracing paper, gelatin silver print | drawing: 297 × 210 mm, print: 254 × 203 mm | ©︎ Hiroko Komatsu, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

アーティストステートメント

現実は、いま目の前に事実として現れているもののこと、あるいは個々の主体によって体験される出来事を外部に流通している観念によって制約し規定するもの、若しくはそうした出来事の基底となる一次的な場のことである。人間の脳は物語に対応するように生物学的に配線されていると言われており、断片として現れる現実に対処するために物語を介在させる傾向がある。物語とは主に人や事件などの一部始終について散文あるいは韻文で語られたものや書かれたものを指す。特定の事件を物語る場合、語り手が直接その事件に関係している当事者であるのか、第三者であるのか、また当事者にしても加害者なのか被害者なのかによって物語の様相は大きく異なる。加害者とは他人に対する加害行為を行った者を指し、いじめ、各種ハラスメント、犯罪、事故などの個人間の問題、公害などの社会問題、差別、戦争、植民地支配といった国際的な人権・歴史問題を含め様々な局面で使われる。加害を受けた者を被害者というが、加害は非常に広範に及ぶため加害者と被害者の境界が曖昧な場合がある。戦争・事故・災害などで突発的に死亡した者、強い恨みや憎しみの感情を持って死亡した者、また自殺が完了したことに気付かない者など、自身が既に死亡していることを受け入れられない、若しくは理解できずに死亡した時にいた土地や建物などに留まる者は地縛霊となる可能性がある。地縛霊は死の領域へ移行するべき状況にあるにも拘わらず生の領域に留まり固執する者である。固執とは自分の意見などを、あくまでも主張し続けることであるが、死者に限らず生者であっても強い固執によって地縛霊化が促進され、思考、物、人、場所などに縛られ進退窮まる。物語が語る者の立ち位置によって異なる様相を呈することから「純粋な」被害者が存在し得るかという問いは有るが、被害者は地縛霊化することで加害者に転化する。その際には加害の対象は他人に限らず自身も含め非常に広範に及ぶ。傾聴とは受容と共感持って相手の言うことを否定せず「聴く」会話の技術を指し、ビジネスや医療、社会生活など様々な場面で必要とされる。同様に霊聴によって死者が考えていることや感じていることを聞く霊媒能力も必要とされている。生者・死者ともに人が固執から解放されるためには、傾聴・霊聴双方においても完全な受動的態度を保って物語を受止める者が必要とされるが、この自我を殺して他者の物語の受け皿となる者こそが「純粋な」被害者であり得るのではないか。

 

小松浩子

アーティストプロフィール

小松浩子(こまつ・ひろこ)

1969年神奈川県生まれ。2009年の初個展以降、国内外で個展、グループ展多数。2010年から2011年にかけ、自主ギャラリー・ブロイラースペースを主催し、毎月個展を開催。2015年、ドイツのフォトフェスティバル「The 6th Fotofestival」で発表された作品が、イタリアのMAST財団に収蔵される。2017年、「人格的自律処理」(ギャラリーαM)と、イタリアMAST財団の「THE POWER OF IMAGES」の展示作品「The Wall from 生体衛生保全」により第43回木村伊兵衛写真賞を受賞。2019年、「DECODE/出来事と記録-ポスト工業化社会の美術」(埼玉県立近代美術館)に出品。2021年、ニューヨークのdieFirmaで個展「Sincerity Department Loyal Division」、デイヴィス美術館(ウェルズリー大学内)で個展「Creative Destruction」を開催。2022年、The Joseloff Gallery(ハートフォード大学内)で個展「Second Decade」を開催。写真集に『Channeled Drawing』(MAN CAVE)他。

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