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内倉真一郎

『忘却の海』出版記念個展

■会          期               

2023年8月5日(土)~ 2023年9月9日(土)

水〜金 13:00〜20:00|土 12:00〜19:00 (日・月・火・祝休廊)

※夏季休廊:8/16(水)〜8/19(土)

■会  場   

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY

〒106-0031 東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布 5F

□主 催:カナカワニシアートオフィス合同会社

□協 力:株式会社赤々舎

▼トークイベント

日 時:

場 所:

登壇者:

2023年8月5日(土)17:00〜18:00頃
KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY

今 道子(写真家)× 町口 景(アートディレクター)× 内倉真一郎(写真家)

入場無料/予約不要(先着25名着席)

※満席の場合は、立見や入場制限となる場合がありますので、ご了承ください

■ゲスト登壇者プロフィール

今 道子(こん・みちこ)

1955年神奈川県生まれ。1978年創形美術学校版画科卒業。1991年、個展「EAT Recent Works」(フォト・ギャラリー・インターナショナル、1990年)にて第16回木村伊兵衛写真賞を受賞。2022年日本写真協会作家賞受賞。近年の主な個展に「Naturaleza Muert」(メキシコ国立写真美術館Fototeca、パチューカ、2017年)、「フィリア―今道子」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館、2021年)など。東京国立近代美術館、東京都写真美術館、シカゴ美術館、オーストラリア国立美術館などパブリックコレクションに多数収蔵。作品集に『EAT』(アートワークスコミッティ-、1987年)、『KON BOX』(PGI&ナツラエリ・プレス、1996年)、『Michiko Kon 今道子』(光琳社、1997年)、『IMPACT』(マッチアンドカンパニー、2011年)、『フィリア-今道子』(国書刊行会、2021年)などがある。
 

町口 景(まちぐち・ひかり)

1975年神奈川県生まれ。兄である町口覚が主宰するデザイン事務所「マッチアンドカンパニー」にて、写真集や書籍、雑誌、広告等のアートディレクションを中心に手がける。主なディレクションワークに川田喜久治、立木義浩、沢渡朔、荒木経惟、田村彰英、三好耕三、今道子、藤原新也、石川真生、野村佐紀子、グレート・ザ・歌舞伎町、ヨーガン・テラー、アントワーヌ・ダガタ、酒航太、名越啓介、伊藤大輔、桑島智輝、中井菜央、内倉真一郎、川島小鳥、岡田敦、石川竜一、奥山由之、吉川然といった写真家の作品集。また、マグナム・フォト展「マグナム創設の原点」、立木義浩展「時代―立木義浩 写真展 1959-2019―」、石川真生展「醜くも美しい人の一生、私は人間が好きだ。」などの写真展や、蜷川実花監修パラスポーツグラフィックマガジン『GO Journal』。宇多田ヒカル『初恋』(CD・LP・ビルボードほか)、星野源『Same Thing』(CDほか)、青葉市子『アダンの風』(CD・LP・書籍ほか)などのアートディレクションも担当し活動は多岐にわたる。

〈忘却の海〉より《地球儀》

2023 | archival pigment print | ©︎ Shinichiro Uchikura, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYは、2023年8月5日(土)より内倉真一郎の写真集『忘却の海』(赤々舎刊)の出版を記念し、同シリーズの新作を集めた個展を開催いたします。

 

内倉真一郎は、宮崎県・延岡市出身の写真家。大阪で写真を学んだ後、街中のストリートスナップやセルフポートレートを発表する形で写真家のキャリアを歩み始め、2009年に父親が立ち上げた写真館を継承してからは、宮崎県を拠点に制作しています。『私の肖像』(2020年、赤々舎刊)へと繋がるポートレート写真で多くの賞を受賞し高く評価された他、拠点とする宮崎県延岡市に打ち棄てられたさまざまな物を撮影した前作〈Collection〉では、第41回キヤノン写真新世紀優秀賞受賞および公益社団法人 日本写真協会/東京都写真美術館主催「東京写真月間2022」国内企画展に選出されています。

 

本作〈忘却の海〉では、夥しい数のプラスチックや日用品などの残骸が打ち上げられた海辺を、カメラを手に無心に歩き回りながら制作したと内倉は語ります。役目を終えたオブジェクトたちの放つ、得も言われぬようなある種の凄みをカメラを介して表出し、無き物とされたが確かに存在する彼ら(物たち)の声なき声を掬うかのような本作は、スナップ写真からポートレート写真までを作品として昇華させてきた内倉の才能を集約させた真骨頂であるといえます。

 

人間の営為の痕跡を淡々と俯瞰することで、時間軸を超越した畏怖さえ感じさせる、内倉真一郎 〈忘却の海〉 の渾身の新作群を、是非お見逃しなくご高覧頂けますと幸いです。

アーティストステートメント

私は宮崎県に住み制作をしている。どこを見渡しても海に囲まれた町だ。行政やボランティアの清掃の手が行き渡った海水浴場には、美しいビーチが続く。しかしそこから少し離れた海には、正反対の世界が広がっている。漂着物や不法投棄物が打ち棄てられて忘れ去られ、誰も立ち入ることさえなくなった、現代社会のありのままの海辺の姿。

ゴミと化した色鮮やかさが虚しいプラスチック、手袋、おもちゃ、魚や鳥などの死骸。遠く離れた場所から時間の波にもまれ、太陽光で干からび新たな姿に変容していくものたち。現世のものとは思えぬ異様な感覚をも想起させる、人間がかつて関わっていた痕跡。

 

私は夢中で、下ばかり見ながら、一つ一つの残骸を集める。打ち棄てられた物たちは私に語りかけるように感じる。誰かが作り、誰かの手元にあり、波とともに砂浜へ。そして私と出会う。このシリーズは、その最後の在りようを記録したラストポートレートだ。 

 

内倉真一郎

アーティストプロフィール

内倉 真一郎 (うちくら・しんいちろう) 

1981年、宮崎県生まれ。日本写真映像専門学校(大阪)卒業後独立し、現在は宮崎県にて活動。

 

主な個展に『忘却の海』(2023年、GALLERY NEUTRAL、京都 [KG+ pick up] /2022年、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京/2022年、BLOOM GALLERY、大阪)、『浮遊の肖像』(2022年、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京/2022年、BLOOM GALLERY、大阪)、『私の肖像』(2020年、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京/BLOOM GALLERY、大阪)、『十一月の星』(2018年、EMON PHOTO GALLERY、東京)、『犬の戦士団』・『十一月の星』(2018年、居藝廊G.GALLERY、台湾・台北)、『PORTRAIT』(2017年、BLOOM GALLERY、大阪)など。

主なグループ展に『東京写真月間2022:地域との共生』(2022年、写真の町 東川町文化ギャラリー、北海道)、『第8回大理国際写真祭』(2019年、中国・大理)、『My Body, Your Body, Their Body』(2019年、KANA KAWANISHI GALLERY、東京)、『第2回寧波市国際写真祭』(2017年、中国・寧波)、『YP』(2017年、清里フォトアートミュージアム、山梨)など。

主な受賞歴に第41回キヤノン写真新世紀優秀賞 (2018年澤田知子選)、 第33回・34回・36回キヤノン写真新世紀佳作 (2010年清水穰選、2011年大森克己選、2013年椹木野衣選) 、第7回EMON AWARDグランプリ (2018年)、Wonder Foto Day キュレーター賞(2019年Kana Kawanishi選、2018年Joanna Fu選)、KONICA MINOLTA フォトプレミオ受賞(2016年)、Nikon Juna 21(2008年)など多数。

2023年8月に赤々舎より『忘却の海』を刊行のほか、主な作品集に『私の肖像』(2020年、赤々舎刊)、2022年KANA KAWANISHI GALLERYより『Early works 1: Street』『Early works 2: Portrait』『佳子』『犬の戦士団』『十一月の星』『Collection』の全6タイトルを連続刊行。

展示風景

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