戸田沙也加 個展
『生い茂る雑草の地に眠る』
▼オープニングレセプション
4月8日(土)18:00〜19:00
■会 場
KANA KAWANISHI GALLERY
〒135-0021 東京都江東区白河4-7-6 ※ギャラリー前に車をお停めいただけます
■会 期
2023年4月8日(土)~ 2023年5月13日(土)
水曜〜土曜:13:00〜19:00(日・月・火・祝 休廊)
※臨時休廊:4月29日(土・祝)〜5月9日(火)
■主 催
カナカワニシアートオフィス合同会社
▼トークイベント
「写真と絵画と彫刻と時間」
タカザワケンジ(写真評論家) × カニエ・ナハ(詩人) × 戸田沙也加(アーティスト)
戸田沙也加個展『生い茂る雑草の地に眠る』を記念し、写真評論家のタカザワケンジ氏、詩人のカニエ・ナハ氏をお招きし、鼎談形式のトークイベントを開催いたします。
写真と絵画の関係性に着目しながら、多数の写真展のディレクションや写真展レビューの執筆活動を行う写真評論家のタカザワケンジ氏と、あらゆる表現を追いかけながら無数の点をつなぎ合わせることで抽象性と具象性を自在に行き来する詩人のカニエ・ナハ氏。この二人を招き、とある彫刻家のアトリエに眠る無数の裸体塑像やその場所をモチーフに、写真と絵画で作品に昇華させながら、個展を開催するペインターの戸田沙也加の3人が、写真・絵画・彫刻などのメディウムについて、それらの表現に作用する時間という概念について、縦横無尽に語り合います。
日 時:
会 場:
登壇者:
参 加:
2023年4月28日(金)19:15-20:30頃(延長する場合もあります)
KANA KAWANISHI GALLERY
タカザワケンジ(写真評論家) × カニエ・ナハ(詩人) × 戸田沙也加(アーティスト)
入場無料/予約不要(先着20名程度着席)
※本イベントは終了いたしました
■ゲスト登壇者プロフィール
タカザワ ケンジ
1968年前橋市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。写真評論、写真家インタビューを雑誌に寄稿。写真集の編集、写真についての展示など、写真のアウトプットに対する実践も行っている。解説を寄稿した写真集に渡辺兼人『既視の街』(AG+ Gallery、東京綜合写真専門学校出版局)、福島あつし『ぼくは独り暮らしの老人の家に弁当を運ぶ』(青幻舎)ほか。著書に『挑発する写真史』(金村修との共著、平凡社)。ヴァル・ウィリアムズ著『Study of PHOTO 名作が生まれるとき』(ビー・エヌ・エヌ新社)日本版監修。京都芸術大学、東京綜合写真専門学校、東京ビジュアルアーツほかで非常勤講師を務めるほか、札幌、台湾でワークショップを行う。IG Photo Galleryディレクター。
カニエ・ナハ
詩人。2010年「ユリイカの新人」としてデビュー。2015年、第4回エルスール財団新人賞〈現代詩部門〉。2016年、詩集『用意された食卓』(私家版、のちに青土社)で第21回中原中也賞。その他の詩集に『馬引く男』(2016年)、『IC』(2017年)、『なりたての寡婦』(2018年)、『CT』(2020年)、『九月十月十一月』(2020年)、『メノト』(2021年)など。2017年、NHK BSプレミアムのドラマ『朗読屋』に出演、東京都現代美術館の企画展「MOTサテライト」に出品。2018年は米アイオワ大学、フィンランド「ラハティ・ポエトリー・マラソン2018」で詩の朗読やパフォーマンスを行う。2019年、日韓詩人交流会(韓国、大邱)に招聘・参加。2019年~東京藝術大学大学院映像研究科主催RAM Associationフェローメンバー。2020年「さいたま国際芸術祭2020」(さいたま市)、「MIND TRAIL 奥大和」(奈良県)に出品、「謳う建築」(WHAT)企画協力・出品。2021年「書物の在る処」(中原中也記念館)監修・出品。2020年4月~読売新聞「詩を遊ぶ」連載中。装丁、パフォーマンス、エッセイ・書評等、〈詩〉を軸に様々な活動を行っている。
2023 | 420 × 295 mm | ink on paper | ©︎ Sayaka Toda, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
2023 | 420 × 295 mm | ink on paper | ©︎ Sayaka Toda, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
《背高泡立草のための習作 #1》
2023 | 420 × 295 mm | ink on paper | ©︎ Sayaka Toda, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
KANA KAWANISHI GALLERYは、2023年4月8日(土)より、戸田沙也加個展『生い茂る雑草の地に眠る』を開催いたします。
美しさと表裏一体の醜美の世界観を絵筆に込め、稀代のペインターとして注目を集めてきた戸田沙也加は、2021年には写真表現のみの個展をKANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYで開催するなど、メディウム問わず通底する表現力が高く評価されてきました。この度KANA KAWANISHI GALLERYで行う個展では、絵画を中心に写真も加えながら展示を構成し、アーティストとしての新境地を切り開きます。
まもなく解体を迎えるとある物故作家のアトリエをモチーフに制作された本展では、人知れず朽ちゆく無数の女性の裸体の塑像群に、否応なく創作意欲を掻き立てられたと作家は語ります。自身の創作テーマとして一貫して自覚してきた醜美の軸だけでなく、存在と忘却、人間界の営みと自然界の営み、西洋と東洋、女性と男性など、あらゆる表裏一体性がそこには内在しており、相反する二つのものが大もとでは一つであることに思いを巡らされます。
純粋に自身の世界観の醸成と抽出に向き合う戸田沙也加が、外界を切り取る写真というメディウムと、自身の内面性を表出させる絵画の両方を用いて構成するこのたびの個展を、是非お見逃しなくご高覧いただけますと幸いです。
「生い茂る雑草の地に眠る」
アトリエとは芸術家の創造の庭であり魂の痕跡である。再開発により間も無く一人の彫刻家のアトリエが取り壊される。主を失った名もなき女性達の陰影は北向きの大窓から差し込む仄暗い光によって映し出される。それぞれが故人の知人の元へ渡るその時まで静かに雑草に覆い囲まれたこの地で眠る。
19世紀後半に西洋的概念が我が国に輸入され、芸術家達は西洋に習い女性の裸体を人間性を抜き去った肉体の美の集積としてとして表現することを受け入れた。取り憑かれたように作られ続けた裸婦たちは、一つの時代の象徴にも思える。それらが草木に覆われ消えてゆく様を、女である自己の眼差しを通して現代に浮かび上がらせる。
戸田沙也加
アーティストプロフィール
戸田沙也加(とだ・さやか)
1988年、埼玉県生まれ。2012年、女子美術大学大学院美術専攻洋画研究領域修了。
主な個展に『The glitter of the shadow and color of the light』(2023年、GALLERY MERROW、東京)、『海を越えて、あるいは夜の向こうに』(2021年、KANA KAWANISHI GALLERY、東京)、『美しさのあるところ—Where the beauty is—』(2011年、木之庄企畫、東京)。主なグループ展に『ソノ アイダ#COVID-19』(2020年〜、オンライン展示)、『Seeing the Unseen』(2016年、ギャラリー桜林、茨城)、『ワンダフルマイアート 高橋コレクションの作家たち』(2013年、河口湖美術館、山梨)、『TO THE FUTURE』(2012年、ミヅマ・アクション、東京)、『第31回損保ジャパン美術財団選抜奨励展』(2012年、損保ジャパン東郷青児美術館、東京)など。受賞歴に2010年「アートアワードトーキョー丸の内2010」木幡和枝賞、2010年「シェル美術賞展」入選など。
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