長谷川寛示個展『My Sútra』
▼オープニングレセプション
12月7日(土)18:00〜20:00
■会 場
KANA KAWANISHI GALLERY
〒135-0021 東京都江東区白河4-7-6
■会 期
2019年12月7日(土)~ 2020年1月18日(土)
火〜金:13:00〜20:00|土:12:00〜19:00(日/月/祝休廊)
※冬季休廊:2019年12月29日(日)〜2020年1月6日(月)
▼クロージングトークイベント
「禅思想とパンクロックと現代アートの必然 」
日 時: 2020年1月18日(土)17:00〜18:30(16:50 受付開始)
※トーク終了後、19:00までクロージングパーティーを行います
場 所: KANA KAWANISHI GALLERY
〒135-0021 東京都江東区白河4-7-6
登壇者: 山田奨治氏(国際日本文化研究センター・教授)
長谷川 寛示(アーティスト)
定 員: 40名(先着25名着席)
料 金: 予約500円/当日1000円(ワンドリンク付)
■登壇者プロフィール
山田 奨治 氏(やまだ・しょうじ)
1963年、大阪府生まれ。情報学者。文化研究者。美術手帖「ZEN」特集を監修。文化交流史、情報学を専門とし、著書に『東京ブギウギと鈴木大拙』『禅という名の日本丸』『〈海賊版〉の思想』『日本文化の模倣と創造』など。国際日本文化研究センター・教授。
2019 | Japanese cypress, gold leaf, ceramic | 560 × 310 × 200 mm | © Kanji Hasegawa, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
2019 | Japanese cypress, gold leaf, ceramic | 560 × 310 × 200 mm | © Kanji Hasegawa, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
Koka Kola
2019 | Japanese cypress, gold leaf, ceramic | 560 × 310 × 200 mm
© Kanji Hasegawa, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
KANA KAWANISHI GALLERYは、2019年12月7日(土曜日)より長谷川寛示個展『My Sútra』を開催いたします。東京藝術大学美術学部彫刻科及び大学院美術研究科彫刻専攻を修了した長谷川は、親しんできたパンクロックカルチャーや、概念を形象へと落とし込む制作過程にも通じるものとして、仏教への興味を在学中より募らせてきました。曹洞宗大本山永平寺での修行を経て、現在は僧侶とアーティストを両立させながら制作活動を行なっています。
「作品をつくることで仏教に興味を持ち、僧侶になりました。仏教は、過去を形式的な儀礼とすることで文化として生き残ってきたところがあると思うんですが、本来は『カタチにすることを嫌う性質』と『次世代に伝える為にカタチ化しなくてはならない』というジレンマの中で出来上がってきたと思う。本来はカタチにならないものの継承を行っているけど、カタチにしないと他者と共有することが出来ない。これは美術が抱えているものと同じだと思っています。」と語る長谷川は、リアリズムの造形を行いながらも、モチーフの表象を介入的に組み替え、自らの属する文化や社会に内在する観念・価値に疑問を投げかける、コンセプチュアルな作品を制作してきました。
現代的なモチーフの陶器や、骨董品のガラス、金箔のあしらわれた繊細で美しい木彫の植物モチーフなど、長谷川は、形象や素材に付随する概念や時間軸の異なるものをあえて掛け合わせることで、ごく自然にひとつの世界に調和をつくりだします。例えば、木彫の植物モチーフに起用される「大麻」の葉は、現代社会においては世界中で違法薬物として忌諱されていますが、紀元前のインドや中国、古代エジプトや中世ヨーロッパなど世界各地で薬として重宝されてきただけでなく、日本においては大麻(おおぬさ)として神道の祭祀にて修祓(しゅはつ)に使う道具のひとつとしても重宝されてきたりもしました。
『My Sútra』と題し、KANA KAWANISHI GALLERYでの初個展となる本展では、仏教の外側の広がる世界を自らに取り込んで作品として昇華させることで、「僧侶でありアーティストである」という長谷川のアイデンティティを体現した姿勢を通し、仏教の真髄をギャラリー空間に表象いたします。
《花を持つ少女》2019 | Japanese cypress, gold leaf, antique glass, copper wire | 240 × 150 × 90 mm | © Kanji Hasegawa, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY |
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《花と花瓶(部分)》2019 | © Kanji Hasegawa, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY |
アーティストステートメント
『sútra / 経典、聖典』
仏教とは形のないものである。
形にならないものを信じる宗教である、と思う。
仏教において、最古の経典の一つであるスッタニパータには
仏教特有の表現がほとんどないらしい。
仏教外から集めた素材で新たに仏教なるものを出発させたのである。*
僕はこの姿勢こそが、仏教の真髄だと信じている。
“Punk is attitude. Not style. (パンクはスタイルじゃない、姿勢だ。)”
僕にとっての経典も、仏教の外側に広がっている。
長谷川寛示
*中村元『ブッダのことば―スッタニパータ』岩波書店, 1991年, p442より
アーティストプロフィール
長谷川寛示(はせがわ・かんじ)
1990年、三重県生まれ。2014年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、2016年同大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。同年、曹洞宗大本山永平寺にて修行を経て僧侶となる。主な個展に『ALLDAY TODAY』(2018、Gallery HIROUMI、東京)、『RESEARCH&DESTROY』(2015年、CC4441、東京)など。グループ展に『CC NIGHT -PLAY ANARCHY-』(2015年、CC4441、東京)など。受賞歴に「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」ファイナリスト選出など。
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