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森 ナナ 個展『Nucleus』

▼オープニングレセプション

10月6日(土)18:00〜20:00

■会  場   

KANA KAWANISHI GALLERY

 〒135-0021  東京都江東区白河4-7-6  白河和楽ビル1F

 

■会          期               

2018年10月6日(土)~ 2018年11月10日(土)

火〜金:13:00〜20:00|土:12:00〜19:00(日/月/祝休廊)

※本展は東京都現代美術館主催『MOTサテライト 2018秋 うごきだす物語』の地域パートナー事業です

sumi ink, japanese paper |  2675 × 1372 mm

©︎ Mori Nana

courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

 

▼トークイベント

「現代における墨の芸術的拡張性を探る 」

日 時:   2018年10月27日(土)17:00〜18:30

登壇者:  栗本高行氏(美術評論家)× 森ナナ(アーティスト)

・参加方法: 要予約(事前予約無料/当日500円)

・定  員: 30名(先着順)

■登壇者プロフィール

 

栗本高行

 

1984年、岐阜県生まれ。美術評論家。

多摩美術大学大学院在学中に執筆した修士論文「井上有一作品における書の『現代』―空間、言語および文字」が第1回東野芳明記念・芸術学科優秀修了論文賞受賞。「久松真一と森田子龍―存在論的深みの書論」で第2回『墨』評論賞準大賞(芸術新聞社)。慶應義塾大学文学部独文学専攻卒業。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。著書に『墨痕―書芸術におけるモダニズムの胎動』(森話社)

 

 

森 ナナ

 

1990年、福岡県生まれ。アーティスト。

2016年、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。2006年バルセロナ現代文化センターCCCBにて行ったライブドローイングを機に、2016年にYCC ヨコハマ創造都市センターにてライブワークショップ、2017年に文京区立森鴎外記念館にてライブパフォーマンスを行うなど、作品制作の他、ライブドローイング、ワークショップ、小中学校授業などの活動を展開。主な展覧会に『銀座たてもの展 Nakagin AIR 2014』(2014年、中銀カプセルタワービル/銀座奥野ビル/ギャラリーMUSEE)、『美大生展』(2016、SEZON ART GALLERY)など。

KANA KAWANISHI GALLERYは、2018年10月6日(土曜日)より森ナナ個展『Nucleus』を開催いたします。

 

森ナナは、書を生業とする家庭環境に育ち、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科にて墨と筆による自身の創作を一心に深め続け、2016年に同大学院修士課程修了後、初めてこのたび個展を迎えます。

 

父が揮毫(きごう)した数多の書の中から、確信的な「ある基準」において、幾つかのみを作品として選び取っていく作業を幼少期より眺めながら、書自体が湛えうる核力のようなものについて、森ナナはひたすらに追求し続けてきました。

 

中国では六芸のひとつとしての古来より深く芸術的価値を見出されてきた「書」は、日本では独自の変遷を経ており、西洋美術の概念の流入に際し「書」をいかに位置付けるべきかが論じられた明治時代には、書における「『イメージ』と『言語』の根深い二項対立」についての議論も活発化しました。古来より引き継がれる伝統的な東洋芸術としての側面と、明治以降に新たに流入してきた西洋美術との独特の距離感を探りながら、日本近現代の書家たちは、それぞれに試行錯誤を重ね各々の思想を作品に昇華させてきました。

 

森ナナは、本来書は「人が潜在的に持っているエネルギーに直にリンクできる可能性のあるメディア」であると語ります。制作に際しては、身心の状態に目を向け、何時間も墨を摺り続けながら、揮毫準備を整えます。一回性により揮毫される作品は、身体が線を体得するまで何枚も繰り返され、墨・紙・筆・水・気候等の状態の兼ね合いにより、初めに紙に着地をした部分が紙の最上部に浮かび顕れます。つまりは「瞬間」と同時に「連続性」が線の中に造形として閉じ込められ、時間軸をも内在させた芸術表現であると言えるでしょう。

 

意識の隔てを往来し、身体の境を超越する僅かな瞬間。または、気候/身心/土地性などのあらゆる状態が唯一の点に集結しえた時のみ捉えることのできる機会。作品には、これらの多面的な事象が奥行きをもって表出し、作品内部の空間性のみならず、展示空間においても多次元的に展開されます。

 

森ナナが個展形式にて初めて発表するこの度の貴重な機会を、是非ともお見逃しなくご高覧くださいませ。

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