Houxo Que 個展
『不気味で美しい労働』
▼オープニングレセプション
3月21日(土)17:00〜18:00
■会期
2026年3月21日(土)〜 2026年4月25日(土)
水曜日〜土曜日 13:00〜18:00
(日・月・火・祝 休廊)
■会場
KANA KAWANISHI GALLERY
〒135-0021 東京都江東区白河4-7-6
※ギャラリー前に車をお停めいただけます

2026 | acrylic medium, iPhone (lithium-ion battery, aluminum / stainless steel case, glass, rare earth elements), 20W power delivery supply, silicone, magnet | © Houxo Que, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

2026 | acrylic medium, iPhone (lithium-ion battery, aluminum / stainless steel case, glass, rare earth elements), 20W power delivery supply, silicone, magnet | © Houxo Que, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
iPhone view (labor)
2026 | acrylic medium, iPhone (lithium-ion battery, aluminum / stainless steel case, glass, rare earth elements),
20W power delivery supply, silicone, magnet | © Houxo Que, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
KANA KAWANISHI GALLERYは、2026年3月21日(土)よりHouxo Que(ホウコォ ・ キュウ)個展『不気味で美しい労働』を開催いたします。
Houxo Queは、グラフィティを起点に壁画を制作するストリートアーティストとして活動を開始。近年では、原初のディスプレイである水面が光を受けるインスタレーションや、鉄パイプを貫通させたまま点滅するディスプレイなど、ペインティングをマルチに発展させる作品を展開するアーティストとして知られています。本展では、Houxo Queの新作絵画作品を発表いたします。
壁に固定された iPhoneのインカメラは鑑賞者を認識し、画面の音声がその存在を読み上げます。空間には複数の端末が並び、それぞれ異なる言語で、画面上の情報を読み上げるアクセシビリティ機能である VoiceOver が発話します。多言語の声が重なり合うことで、空間には複数の声が交錯する環境が生まれます。透明なアクリルメディウムによる指の痕跡が重ねられたスマートフォンの画面は光を歪ませ、鑑賞者の像を揺らがせます。
スマートフォンは、日常のなかで絶えず触れられ、働き続けている装置でもあります。通知を受け取り、顔を認識し、声を発し、視線に応答する——それはある種の労働を担う身体のようにも見えます。そうした身体は、希少鉱物の採掘、複雑な製造工程、遠くのサーバー群、そして多くの人間の労働によって形づくられています。資源の一部は紛争地域と地理的に結びつき、半導体をはじめとする電子技術は民生と軍事のあいだを往復するデュアルユースの歴史を持っています。
Queは、装置の働きと人間の身体、そしてそれを取り巻く社会や歴史の層が交錯する地点として、iPhoneという装置に注目しています。そこには、現代の文化や技術環境の輪郭が、ひとつの形として現れています。装置、画面、身体のあいだで「見る主体」が往復する状況のなかで、iPhoneという視覚装置そのものが支持体として立ち上がります。
本展では、そうした複数の層を抱えた装置を「絵画の形式」の中に引き寄せる試みとして制作された、HouxoQueの新作をご高覧ください。
アーティストステートメント
私は、スマートフォンを操作する指のジェスチャーに関心を持っている。ピンチやスワイプといった動作は、視点やイメージを操作するための基本的なインターフェイスとなっている。しかし、その操作そのものの多くは、画面の表面からは消えてしまう。私たちはイメージを見るが、そのイメージを成立させている身体の動きは、痕跡を残さないまま通り過ぎていく。私たちとスマートフォンのあいだで交わされてきた身体的なやり取りの歴史は、ほとんど透明なものとして扱われ、記録されることはない。
この透明なジェスチャーに、私は個人的な共感を覚えている。マルチアイデンティティのなかで生きてきた経験から、ときどき自分自身の存在が社会の中で不確かなものとして感じられる瞬間がある。そこに確かに存在しているにもかかわらず、なににも帰属することができず、その輪郭がはっきりと定まらない感覚である。
そうした感覚を手がかりに、本作では見えない操作や身体の感覚を、絵画という形式の中に引き寄せようとしている。透明なメディウムによって指の痕跡を重ねる行為は、通常は記録されないジェスチャーを物質として留める試みでもある。人の身体の動きと装置の稼働、そのあいだで生まれる経験を、絵画という形式を用いて、その消え去るはずの輪郭を物質の中に繋ぎ止めた。
Houxo Que
アーティストプロフィール
Houxo Que(ホウコォ ・ キュウ)
1984年東京生まれ。1999年グラフィティを始める。10代でグラフィティと出会い、ストリートで壁画中心の制作活動を始める。以後現在まで蛍光塗料を用いたペインティング作品とブラック・ライトを使用したインスタレーションで知られる。作品の制作過程をショーとして見せるライブペイントも数多く実施。2012年頃よりディスプレイに直接ペイントする手法で制作を始める。
主な個展に「照明、が与えられたとて」(2025年、SIGNAL、東京)、 「YOU CAN (NOT) RELATE.」(2023年、KANA KAWANISHI GALLERY、東京)、「Proxy」(2020年、Gallery OUT of PLACE TOKIO、東京)、 「apple」(2018年、Gallery OUT of PLACE TOKIO、東京)、「Spectrum File 19 Houxo Que」(2018年、MINA-TO [スパイラル 1F]、東京)など。
グループ展に 「150年」(2025年、東京)、「Alternative Living展」(2025年、SusHi Tech Square、東京)、「『お分かりでしょうけれど、私は画家であることをやめてはいません。』」(2023年、ソノアイダ/Watowa Gallery、東京)、 「Reborn-Art Festival 2021-22 『利他と流動性』」(2021年、旧千人風呂、宮城県石巻市)、「ANB TOKYO オープニング展『ENCOUNTERS』」(2020年、ANB TOKYO、東京)、「TOKYO 2021」(2019年、TODA BUILDING、東京)、「CANCER “THE MECHANISM OF RESEMBLING”」(2018年、EUKARYOTE、東京)など。
《16,777,216 view #2》が第19回文化庁メディア芸術祭(2015年度)アート部門にて審査員推薦作品に選定。
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