『Hai, Dozo!—A new generation of Japanese Photographers』

■会 場  

Building E, Leicui yuan, Shuanghexi Ring Road, Dali City, China

 

■会 期               

2019年8月17日(土)~ 2019年8月21日(水)

9:00〜18:00|入場料無料

​>「大理国際写真祭」公式ウェブサイト(中国語)

□出展作家  

小原一真岩根愛千賀健史細倉真弓

三保谷将史横山隆平内倉真一郎長谷良樹

 

□キュレーター               

Joanna Fu(傅尔得)

この度、中国雲南省・大理市にて2019年8月17日(土)〜8月21日(水)まで行われる第8回大理国際写真祭のプログラムの一つとして、日本人写真家8名によるグループ展『Hai, Dozo!—A new generation of Japanese Photographers』が開催されます。

* * *

芸術文化においてアジア全体に大きな影響力を持つ日本は今、元号が平成から令和へと切り替わり、新たな時代の幕開けの最中にいます。そんな現代に活動する日本人写真家たちは、それぞれが抱える現状や、社会に対する考えを新たな視覚言語をもって表現しています。(中略)本展では、日本の写真における新時代を写し出しながらも、各々に異なる視点から表現を展開する小原一真、岩根愛、千賀健史、細倉真弓、三保谷将史、横山隆平、内倉真一郎、長谷良樹の作品を通して、彼らが生まれ育ち、それぞれに解釈した現代の日本を考察します。

—ジョアンナ・フー(キュレーター)

■キュレーター:Joanna Fu(傅尔得)

 

上海を拠点に活動するキュレーター。2015年に本写真祭にて台湾の写真家によるグループ展『Beneath the Surface Taiwan Contemporary Photography Exhibition』を企画したほか、中国国内の写真祭にてキュレーションに携わる。また、 中国の写真誌『China Photography Magazine』、『Photo World Magazine』、『ELLEMEN』、『 Zhidian Magazine』などに批評やコラムを寄稿。

 

小原一真

小原一真(おばら・かずま)は1985年生まれ。2015年、ロンドン芸術大学フォトジャーナリズム修士課程修了。主な展覧会に『Silent Histories』(2016年、Photofusion Photography Centre、イギリス・ロンドン)など。写真集に『Reset』(2012/Lars Muller Publisher)、『Silent Histories』(2015/RM)、『Exposure』(2017/RM)など。『Silent Histories』は米TIME誌、英Telegraph等で年間Best Photobookに選ばれた他、『Exposure』は 世界報道写真賞2016人々の部一位受賞をはじめ、国際的な賞を多数受賞。

本展出品の〈Bikini Diaries〉は、1954年にビキニ環礁にてアメリカ政府が水爆実験を行ったことにより、周辺で漁を行っていた約1万人もの日本の漁師たちが被害を受けたという事実を基に制作されたシリーズ。小原は漁師だった自身の父が1955年に購入した「リコーフレックス」を入手し、小原自身の手で修理をしながらもレンズに付着したカビはそのままに、本シリーズを撮影しました。父親が辿った足跡を追うかのように風景を捉えた写真は白くぼやけ、被曝により白内障を患った多くの漁師たちの目に映る風景を思わせます。小原により撮影されたそれらの写真や過去の家族写真、リサーチにより得られた当時の記録を組み合わせることで、放射線の被害が生み出してきた歴史と現代社会を独自の視点から投影します。

 

岩根 愛

岩根愛(いわね・あい)は1975年東京都生まれ。1991年単身渡米、ペトロリアハイスクールに留学。オフグリッド、自給自足の暮らしの中で学び、帰国後、アシスタントを経て1996 年に独立。2006 年以降、ハワイにおける日系文化に注視し、2013 年より福島県三春町にも拠点を構え、移民を通じたハワイと福島の関連をテーマに制作を続け、第44回木村伊兵衛写真賞を受賞。著作に作品集『KIPUKA』(青幻舎)および『キプカへの旅』(太田出版)

本展で岩根は〈KIPUKA〉シリーズを中国にて初めて発表します。2006年に初めて訪れたハワイで出会った

日系移民一世たちの墓石を写した作品から、ハワイに今なお息づく「ボンダンス」のようす、その踊りの原曲である双葉盆唄をはじめとした福島の人々が一心不乱に奏でる姿を写した作品など、ハワイ・福島の二つの地で12年もの時間をかけて取り組んだフィールドワークにより結実した作品群を俯瞰する展示となります。

 

千賀健史

千賀健史(ちが・けんじ)は1982 年滋賀県生まれ。大阪大学卒業。主な個展に『The Suicide Boom』(2018年、Reminders Photography Stronghold、東京)、『Supressed Voice』(2018年、Guardian Garden Gallery、東京)など。グループ展に『Tsuka Exhibition』(2018年、Center of Contemporary Photography in Melbourne、オーストラリア・メルボルン)など。ドキュメンタリーにおけるビジュアルストーリーテリングによる作品作りに取り組み、近年ではハンドメイドによるダミーブック、及び少部数の自費出版も行い、作品集『Suppressed Voice』が2018年Kassel Dummy Awardにてショートリストに選出されるなど、国内外で評価されています 。

 

本展に出品されるシリーズ〈The Suicide Boom〉は、千賀の友人の一人が2015年8月、当時世間で話題になっ

ていた方法で自殺したことをきっかけに始まりました。1774年にゲーテが「若きウェルテルの悩み」を発表してから若者の間で小説の主人公を模倣した自殺が相次いだという事態、また、日本でも1700年代初頭に近松門左衛門による「曽根崎心中」などの浄瑠璃により心中が流行した歴史を参照しながら、ショッキングな自殺事件が繰り返し報道され、情報が氾濫する現代に生きる私たちが自殺を一つの伝染病として捉え、心理に影響を与えるその「マインドウイルス」という敵を認識することで、死の連鎖を止められないか、と千賀は本シリーズを通して考察します。

 

細倉真弓

© Mayumi Hosokura

細倉真弓(ほそくら・まゆみ)は1979年京都生まれ。立命館大学文学部、及び日本大学芸術学部写真学科卒業。主な個展に『Jubilee』(2017年、nomad nomad、香港)、『Cyalium』(2016年、G/P gallery、東京)、『クリスタル ラブ スターライト』(2014年、G/P gallery、東京)、『Transparency is the new mystery』(2012年、関渡美術館2F展示室、台北)など。グループ展に『小さいながらもたしかなこと』(2018年、東京都写真美術館、東京)、『Close to the Edge: New photography from Japan』(2016年、Miyako Yoshinage、ニューヨーク)、『Tokyo International Photography Festival』(2015年、 Art Factory Jonanjima、東京)、『Reflected-works from the Foam collection』(2014年、Foam Amsterdam、オランダ・アムステルダム)など。写真集に『Jubilee』(2017年、artbeat publishers)、『transparency is the new mystery』(2016年、MACK)など。

細倉は、ジェンダーの視点から科学技術の発展を研究するアメリカの学者ダナ・J・ハラウェイの動物や機械と人間の関係性についての理論に影響を受けながら、ヌード、都市の日常風景、鉱物などの静物などを被写体に、人種や国籍、有機物と無機物など、「かつて当たり前であったはず」の境界を再編する作品を発表。今回の出品作品の一つ、ネオンの都市風景を写した作品やカラーフィルターを用いた男女のヌードで構成される〈Jubilee〉シリーズは、2012年から2017年の間に日本、台湾、香港、中国にて制作されました。本作には撮影した国も時期も広がりがありながらも、それらのイメージを並列に再構成させていくことで時空をつなぎ合わせ、一つの作品世界を生み出します。

 

三保谷将史

三保谷将史(みほたに・まさし) は1987年大阪生まれ。主な個展に『※写真はイメージです。』 (2016年、ZAZIE hair、大阪) 、『インセクトゥム』 (2014年、la galerie、大阪) など。グループ展に『YPF exhibition 2019』 (2019年、 galerie MONSTRE、フランス・アルル) 、『Today is』 (2019年、ソニースクエア渋谷プロジェクト、東京) 、『NEW JAPAN PHOTO 7 LAUNCH EXHIBITION』 (2018年、CHI-KA、UAE・ドバイ) 、『Next Project』 (2018年、東川国際写真祭、北 海道) など。2018年、便利堂による「HARIBAN AWARD 2018」にて最終選考に選出。8月24日(土)より、 KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY (東京都港区・西麻布) にて個展『Images are for illustration purposes』を開催。

 

〈Images are for illustration purposes〉は、日本のスーパーマーケットやコンビニエンスストアに並ぶ食品や日 用品のパッケージに印刷されたイメージ写真を素材に、カラーフォトグラムを用いて制作されたシリーズ。 今日ウェブ上に写真が溢れている一方で、本作に用いられるパッケージなどの印刷物もかつてないクオリ ティにて大量生産されています。三保谷はそうしたイメージ画像を消費社会と複製技術の「いま」の一片と して捉え、フォトグラムを用いることで素材の表面に残る網点のパターンを、アルミや紙といったパッケー ジの素材感と共にイメージとして定着させます。

 

横山隆平

横山隆平 (よこやま・りゅうへい) は1979年大阪府生まれ。主な個展に『沈黙と静寂』(2017年、KYOTOGRAPHIE KG+、京都) 、『SILECE』 (2013年、gallery MAIN、京都)など。グループ展に『off the record vol.12 aube artistique』(2019年、In)(between Gallery、フランス・パリ) 、『CITYRAT press』(2017年、Place M、東京) 、『Kyoto Current展Vol.04』(2012年、京都市美術館、京都) など。

 

横山は流動する都市の姿を被写体にモノクロフィルムによるストリートスナップを中心に作品を展開させな がら、「都市とは何か」を問い続けます。本展では、2012年から撮影を開始し、これまで制作と展示を繰り 返すことで更改を経てきた〈City and Objects〉シリーズを発表。ポルトガルの映画監督マノエル・ド・オリ ヴェイラの「説明をほどこそうとはしない光にひたっている、あふれんばかりの素晴らしい記号たち── 。」ということばからインスピレーションを受けた横山は、日常風景の片隅に転がる物を都市を構成する記 号として捉え、写真に収めます。

 

内倉真一郎

内倉真一郎 (うちくら・しんいちろう) は1981年宮崎県生まれ。日本写真映像専門学校 (大阪) 卒業後、独立し、 宮崎県にて活動。主な受賞歴に第41回キヤノン写真新世紀優秀賞 (2018年澤田知子選) 、 第33回・34回・36回キ ヤノン写真新世紀佳作 (2010年清水穰選、2011年大森克己選、2013年椹木野衣選) 、第7回EMON AWARDグランプリ (2018年) 他多数。

 

〈十一月の星 (Star of November) 〉 シリーズは、自らの息子が新生児である時期に、その生命力溢れる姿を ありのままに留めるべく撮影した作品です。生まれたばかりにも関わらず、涙を落とすでもなく鳴き出し (泣き出し) 、あるいは「新生児微笑」として生理的な筋肉の運動で笑顔をつくる姿など、人間の根源的 な姿でありながら本能と生命力の凝縮された姿を、渾身作としてまとめあげ、鑑賞者の本能に訴えかけま す。一方〈Collection〉は内倉が活動拠点にする宮崎の道端に捨てられたオブジェを太陽の下で撮影したシ リーズ。壊れた家電や日用品から、失敗作として破棄されたフクロウの剥製など、それぞれの役目を終え、ま たはその役目を果たせないままに最期を迎える物たちを看取るかのような目線で捉えます。

 

長谷良樹

長谷良樹 (はせ・よしき) は神奈川県生まれ。1999年から2006年までニューヨークを拠点に活動しその後帰国、 現在は東京在住。主な個展に『DESSIN』 (2019年、KANA KAWANISHI GALLERY、東京) 、『Refuse to Make Them Happen』(2018年、G Gallery、台北) 、『ENA』(2018年、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京) 、『almost nature 』(2017年、コートヤードHIROO ガロウ、東京) など。グループ展に『Photo Saint-Germain』(2016年、Galerie Zlotowski、 パリ) 、『UNSEEN Photo Fair』(2014年、Westergasfabriek、アムステルダム) など。主な受賞歴として、2018年、〈ENA〉シリーズにて「 Lensculture Emerging Talent Awards」の受賞者に選出されたほか、2016年、〈First Composition〉シリーズにて「東京国際写真コンペティション」の上位8名に選出。

 

長谷の〈181°〉は、一面広がる地平線に人工物を配置させることで、純粋な自然が織りなす風景に人智の1° を加え、新たな調和の世界「181°」の創造を試みる作品シリーズ。一見、合成画像にも見えてしまうほどに 異次元の風景を提示する本作ですが、巨大なオブジェを作家自ら造作し、風景の中に足を踏み入れ、圧倒的 な自然と人工が生み出す均衡を体感しながら制作されています。

All Rights Reserevd by  KANA KAWANISHI ART OFFICE LLC.

  • KANA KAWANISHI GALLERY on Facebook
  • KANA KAWANISHI GALLERY on Instagram
  • KANA KAWANISHI GALLERY on Twitter