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藤間謙二 個展『Artificial Flowers』

 

 

▼オープニングレセプション

2019年3月30日(土)18:00-20:00

*どなたさまもご自由にお立ち寄りください

■会 場  

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY

〒106-0031 東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布 5F

TEL 03-5843-9128

 

■会 期               

2019年 3月30日(土)~  2019年4月 27日(土)

火〜金 13:00-20:00|土 12:00-19:00

(日・月・祝休廊)

​※臨時休廊日:

 4月11日(木)〜4月13日(土)

※短縮営業日:

 4月20日(土) 12:00〜17:00

 4月24日(水) 12:00〜18:00

Peony-A_a2, from the series Artificial Flowers

2019 | archival pigment print © Kenji Toma, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYは、2019年3月30日(土)より藤間謙二個展『Artificial Flowers』を開催いたします。

前作〈The Most Beautiful Flowers〉にて、19世紀植物細密画への長年の憧憬をオマージュとして作品世界に昇華させた藤間謙二。実物の花々の細部までをも克明に写し取ることで、絵画かと見紛うような、時代を超えた普遍的な美しさを作品に閉じ込めた前作は、作品集が刊行されたドイツや、作家の居住するアメリカのみならず、日本、イギリス、韓国、インドなど、文化圏を超越して幅広く高い評価を博してきました。次いで、このたびKANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYにて世界初公開される新作〈Artificial Flowers〉は、シルクフラワーを被写体とした新シリーズとなります。「造花」は人の手によってつくりだされたものですが、本作にて藤間の手により抽出されたシルクフラワーたちの姿は、驚くほどに生々しく、枯れゆく運命にあらがう意思を持って、それぞれに咲き誇っているかのようにも感じられます。

本作では、花を一本ずつ写真に収めた前作とは異なり、群生する姿をいわば集合写真のように撮影するという手法が採られています。群生する様相を一点ずつの作品として提示するだけでなく、加えて、今回は新たな試みとして、「半機械的に分割されたピース」ごとの作品としても発表いたします。半ば機械的に、ほぼ作家の意図さえ介さずにせず着目を浴びることとなったピース作品は、細部にも新たに意思が宿っているかのような、不意を突かれた美しさに鑑賞者を引き込んでいきます。

 

人工知能が、ヒトを超えて意思を持ち始めるとされる「シンギュラリティ」について様々な議論が活発化される今日において、〈Artificial Flowers〉は、人工物と自然物のもはや淡い境界線の間を揺れ動きながら、改めて、自然のなかに唯在る「美」という概念について、わたしたちに問いかけてきます。

 

自然界の営為のつくりだす根源的な美について、謙虚に真正面から立ち向かい写真として介在を試みた本作を、世界に先駆けて弊廊で発表する貴重な機会を、何卒お見逃しなくご高覧いただけますと幸甚です。

Black Poppy_a1~e3 , from the series Artificial Flowers

2019 | archival pigment print © Kenji Toma, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

アーティストステイトメント

“偽物”、それが造花だとわかった時に、先ず思うのはそんな言葉ではないでしょうか?しかし、ちょっと視点を変えて人工物であるが故の美しさを捉えてみたい。このシリーズはそんな思いから撮り始めました。

神の創造物であろう奇跡の色とフォルム。そしてその命の儚さ故に一層美しさを増す生花。一方、時間を経ても朽ちないシルクの花たち。絹の布に人の手が加えられ、細部に工夫が施され、少しでも生きた花たちに近づけて造り上げられた人工の花。しかし、本物の代用品という概念を取り払って一つ一つの造花に真摯に向き合うと、そこには造花である以上の美しさを垣間みる瞬間があります。成長しない、老いない花。美は、そんな所にさえ存在します。

 

枯れることのない不死の花たちの美しさは虚像なのか?美しさに真贋はあるのか?真実の美しさ、偽りの美しさとは? それらは時間の概念に支配された我々人間の持つ価値観に過ぎないのかもしれません。これらの花をみつめていると、現世とはどこか別の異次元に咲き乱れる花のように思えて仕方がないのです。

シルクフラワーを媒体とし、“造花”を“生花”に見える様に撮るのではなく、人工の花ならではの美しさと、その美の矛盾を探してみました。

 

——藤間謙二

アーティストプロフィール

藤間謙二 (とうま・けんじ)

新潟県出身、1990年よりニューヨークにて活動。

主な個展に『π - 3.14 / LITH PRINT』 (Monochrome Gallery RAIN/東京/2018年)

『The Most Beautiful Flowers』 (Gallery 916/東京/2017) など。

2017年、作品集『The Most Beautiful Flowers』をKehrer Verlagより刊行。

作品はFandación Centro Ordóñez - Falcón de Fotografia (サン・セバスティアン/スペイン) 他に収蔵されている。

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