The Reference Asia: Art Book Library 2019

『My Body, Your Body, Their Body』

▼オープニングレセプション

7月12日(金)19:00〜21:00

​どなたさまもご自由にお立ち寄りください

□ブックキュレーター:

・中 国   /シャオペン・ユアン・ウェイ(Samepaper代表)

・シンガポール/グェン・リー(DECK代表)

・台 湾   /ツァオ・リアンピン(Light Box代表)

・韓 国   /ケイ・ジュン(Aprilsnow Press代表)

・日 本   /河西香奈(KANA KAWANISHI GALLERY代表)

□立案:unit circle

□協力:IANN/POETIC SCAPE/The Third Gallery Aya

□展覧会企画:KANA KAWANISHI ART OFFICE

■会  場   

KANA KAWANISHI GALLERY

 〒135-0021  東京都江東区白河4-7-6 

TEL: 03-5843-9128

■会          期               

2019年7月12日(金)~ 2019年8月10日(土)

火〜金:13:00〜20:00|土:12:00〜19:00(日/月/祝休廊)

​※短縮営業:7/12(金)は19:00から営業開始

                          7/16(火)は12:00〜17:00

■参加作家   

石内都岩根愛野村浩内倉真一郎

倉谷卓牧野智晃アン・ジュン

※本展覧会は、TOKYO ART BOOK FAIR2019の公式サテライトプログラムです

 

Frida: Love and Pain #42

2012 | crystal archive print | 31.5×47.2cm

 © Ishiuchi Miyako, courtesy The Third Gallery Aya

KANA KAWANISHI GALLERYは、2019年7月12日(金)より「The Reference Asia: Art Book Library 2019」巡回展(*1) として、グループ展『My Body, Your Body, Their Body』を開催いたします。本展では、身体/ポートレート/家族/ジェンダー/コミュニティーなど、広義に「身体」を捉えた中国、台湾、韓国、シンガポール、日本のアジア5カ国のブックキュレーターが選書したアートブック125冊と、写真家7名による関連作品の展示を行います。

 *1:

「The Reference Asia: Art Book Library 2019」は、アジアで活動するエディター、キュレーター、パブリッシャーのネットワークを基盤に作られた、アジアのアートコミュニティを拡張するための新しいプラットフォーム「The Reference Asia」によるプログラム。

 

「アジアの芸術は、これまで欧米主導の中で成り立ってきましたが、デジタル時代の到来によって、各都市と国家間のつながりは、以前より容易になり、アジアの若いアーティストたちは、新しいマーケットを独自に開拓しています。The Reference Asiaはこのような変化の中で、『アジア』に焦点を当てたコミュニティの活性化を図るべく、2019年に始まりました。今年は、アジアのアートブックを集めた巡回展『The Reference Asia: Art Book Library 2019』と、新しい才能を発掘する『The Reference Asia: Photo Prize 2019』を開催します。アジアをネットワークの核としたプラットフォームを作るために、今後さまざまな活動をオフライン、オンラインの双方で実現していきます。」

(The Reference Asia 設立ステートメントより)

Frida: Love and Pain #42

2012 | crystal archive print | 31.5×47.2cm

 © Ishiuchi Miyako, courtesy The Third Gallery Aya

石内都(いしうち・みやこ)は、1947年、群馬県桐生市生まれ。

1979年に「Apartment」で第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。2005年、母親の遺品を撮影した「Mother’s」で第51回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出され、2013年に紫綬褒章、2014年にハッセルブラッド国際写真賞を受賞。2015年、J・ポール・ゲティ美術館(ロサンゼルス)の個展「Postwar Shadows」や、2017-2018年、横浜美術館の個展「肌理と写真」など国内外の主要美術館で回顧展が開催されています。

本展に出品の 〈Frida: Love and Pain (Frida by Ishiuchi)〉 は、フリーダ・カーロ財団より依頼され、メキシコの現代絵画を代表するフリーダの遺品を撮影した作品。「彼女がつくろったドレスや靴下をフリーダの皮膚のようにも感じた。服をつくろうという行為は、ある意味では『傷』を受け入れ、なお生きてゆくという彼女の姿勢を思わせるし、さまざまな記憶が宿った大量の衣服は彼女が生きてきた証でもあったのでしょう」 と語る石内は、撮影にあたってはフリーダの存在感や生き様を強く感じながらも、無名の人々の遺品であった 〈ひろしま〉 と変わらぬ態度で撮影を行ったと言います。

 

故人の遺品が時代を超えて守られ続け、残されていく意味を、写真作品を通して伝えてゆきます。

 *2:

与那原恵「石内都と、写真の旅へ/Mexicano―『フリーダ・カーロ』を撮る その3」

https://kangaeruhito.jp/article/3719

 

Pahoa, Hawaii, Hawaii  from the series KIPUKA

(installation view)

2015 | archival pigment print  | 250 × 1910 mm

 © Ai Iwane, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

岩根愛(いわね・あい)は、1975年、東京都生まれ。

 

1991年単身渡米、ペトロリアハイスクールに留学。オフグリッド、自給自足の暮らしの中で学び、帰国後、アシスタントを経て1996 年に独立。2006 年以降、ハワイにおける日系文化に注視し、2013 年より福島県三春町にも拠点を構え、移民を通じたハワイと福島の関連をテーマに制作を続け、第44回木村伊兵衛写真賞を受賞。著作に作品集『KIPUKA』(青幻舎)および『キプカへの旅』(太田出版)があります。

 

本展では、〈KIPUKA〉シリーズより、ハワイ島パホアで日系移民一世たちの墓石が黒々と流れてきた溶岩のなかで姿を留める様子を、360度回転しながら風景を収める希少な「コダックサーカットフィルムカメラ」で撮影したパノラマ作品を出品します。加えて 〈KIPUKA〉 より、ハワイにおける「ボンダンス」の様子を撮影した作品、および日系一世移民たちがハワイへと伝え、ボンダンスの原曲となった福島・双葉盆唄を「巻き太鼓」の奏法で一心不乱に演奏する場面を捉えた作品も出品します。

 

時代と大陸を超え、コミュニティの根底に脈々と育まれてきた伝統の凝縮を、作品世界で伝えます。

 

野村浩(のむら・ひろし)は、1969年、静岡県生まれ。

 

東京藝術大学美術学部油画科、および東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。第三回キヤノン写真新世紀優秀賞(1992年飯沢耕太郎選)、および第五回キヤノン写真新世紀優秀賞(1993年南條史生選)受賞。メディウム自体の問いかけをも写真表現に取り込みながら、一見すると散在的な作品群も一貫してコンセプチュアルな態度で制作する野村は、現実と非現実の境界に触れる作品が評価され、国内外で広く作品展示をしています。

 

本展に出品の 〈Doppelopment〉 は、一人娘・はなを同じ場所で二回撮影し現実の世界にいない「もうひとり(なな)」を存在させ、ドッペルを現像したもの。作家自身も二卵性双生児であることから着想された「はな」と「なな」の愛しい成長記録は、ドッペルゲンガーを現像するという意味で、ドッペル現像=Doppelopmentという造語をタイトルにしています。

 

一見すると、女の子たちを撮影した普通のスナップ写真であるその作品群は、ごく自然にそして絶妙に、日常に重なるように実在しえる異次元の存在を鑑賞者に垣間見せます。

 

倉谷卓(くらや・たかし)は、1984年、山形県生まれ。

 

日本写真芸術専門学校卒業。受賞に塩竈フォトフェスティバル写真賞大賞(2011年)、TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD審査員賞(2013年、2014年)など。近年の個展に「Your Camera is My Camara」(Alt_Medium、2017)、「Photographic Violence」Hasu no hana、2017) 。グループ展に「ふたりとふたり」(Kanzan Gallery、2019)、「新章風景#2」(東京都美術館、2017)、「Pets Friends Forever, 2017-2018」(Deutsches Hygiene-Museum) など。同年代の写真家である山崎雄策(やまざき・ゆうさく)とのユニット「The Fan Club」としても作品を発表し、コンセプチュアルな視座にシニカルな視点を交え、日常風景を美しく捉える写真撮影と融合させた作品群に注目が集まる若手作家です。

 

本展に出品の「カーテンを開けて/A Glimmer of Light」は、塩竈フォトフェスティバル写真賞大賞を受賞後、写真集としても発表。足に持病を患い、障害者手帳を有しながらも命を全うした実の父の喪失を、あくまでもフラットな視点で捉え、家族だからこそ踏み込める領域まで淡々と美しくリアリスティックに写しながら、鑑賞者の心の襞に染み入る写真作品です。

 

内倉真一郎(うちくら・しんいちろう)は、1981年、宮崎県生まれ。

 

日本写真映像専門学校(大阪)卒業後、独立し、宮崎県にて活動。主な受賞歴に第41回キヤノン写真新世紀優秀賞(2018年澤田知子選)、第33回・34回・36回キヤノン写真新世紀佳作(2010年清水穰選、2011年大森克己選、2013年椹木野衣選)、第7回EMON AWARDグランプリ(2018年)他多数。様々な被写体の中から、生命の根源をゆさぶるものを、卓越した審美眼と真摯な人間性で、カメラに収める写真作品を多数発表しています。


本展に出品の 〈十一月の星 (Star of November)〉 は、自らの息子が新生児である時期に、その生命力溢れる姿をありのままに留めるべく撮影した作品です。生まれたばかりにも関わらず、涙を落とすでもなく鳴き出し(泣き出し)、あるいは「新生児微笑」として生理的な筋肉の運動で笑顔をつくる姿など、人間の根源的な姿でありながら本能と生命力の凝縮された姿を、渾身作としてまとめあげ、鑑賞者の本能に訴えかけます。

 

Self-Portrait  ©Ahn Jun

2012 | HDR Ultra Chrome Archival Pigment Print | triptych (1524×1016mm each) 

アン・ジュンは1981年、ソウル(韓国)生まれ。

2006年南カリフォルニア大学(ロサンゼルス)美術史学科卒業、2012年パーソンズ美術大学(ニューヨーク)写真学科修士課程修了後、2017年弘益大学校(ソウル)大学院写真学科博士号を習得。主な個展に「On The Verge(Photographic Center Northwest、アメリカ・シアトル、2018年)、「UnveiledScape」(Keumsan Gallery、ソウル/2017年)、「Self-Portrait」(Christophe Guye Gallery、スイス・チューリッヒ/2014年) など。主なグループ展に「Asia Woman Artists」(Jeonbuk Museum of Art、韓国・完州郡/2017年)、「Ich」(Schirn Kunsthalle、ドイツ・フランクフルト/2016年)、「Secret Garden」(ソウル市立美術館、ソウル/2016年)など。主な作品収蔵に国立現代美術館(ソウル)など。  

〈Self-Portrait〉 は、赤々舎から同名の写真集として2018年刊行。ソウル、ニューヨーク、香港都心で、高層ビルの上から見下ろすアン・ジュン自身の姿を撮影したシリーズです。高層ビルと虚空のあいだにぶら下がり眺める、実際の「目の前に広がった風景」はむしろ「一層の幻想」なのでは、と問いかけるアン・ジュンは、写真的文脈と実際の経験の狭間にある「心理的境界」を、幻想と現実という写真的感覚として置き換えます。

 

牧野智晃(まきの・ともあき)は、1980年、埼玉県生まれ。

 

東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。写真集「Tokyo Soap Opera」(2005年、FOIL刊)にて第31回木村伊兵衛写真賞ノミネート。東京、ニューヨーク、台湾など、世界各都市にて中年女性をそれぞれの生活空間にて撮影をした作品シリーズ〈Tokyo Soap Opera〉、〈Daydream〉、〈Theather〉をそれぞれ写真集および個展で発表を重ねてきました。

本展に出品する最新作〈Theater〉は台湾で撮影を行い、モデルの女性たちにそれぞれの「外行き着」と「部屋着」を着用してもらった上で、フイルム撮影を行っています。一見コミカルでありながらも、被写体の聖域でもある生活空間内には居住者の様々な状況、風習、生活様式などが垣間見られ、社会学的見地からも鑑賞可能な作品シリーズです。

本展覧会のタイトルは、「彼ら」「彼女ら」という固定観念に捉われることなく、ありのままの自分たちであれる三人称として「they/them/their」がマイノリティ・コミュニティでは好んで使用されているという文化を踏まえ、それぞれの視点で「身体」を改めてみつめるべく、冠されたものです。

 

時代のなかで移ろいゆくわたしたちの身体は、様々な家族観、ジェンダー観、コミュニティ観に根付きながら変容をし続けています。国内外で活躍する日本人作家6名と韓国作家1名、そしてアジア5カ国のブックキュレーターが選書した125冊のアートブックを通し、今現在のアジアの「身体」を体感し得る貴重な機会を、是非お見逃しなくご高覧いただけましたら幸いです。

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