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GROUP EXHIBITION

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『都市—Cityscapes/Residences』

 

 

■会  場   

KANA KAWANISHI GALLERY

東京都港区南麻布3-9-11

 

■会          期              

20151121日(土) 〜 1226日(土)

12:00-19:00  |  日・月・祝祭日休廊 

菊地良太|水木塁|ジェレミ・ステラ|ミナミ・ノリタカ

オープニング・レセプション

20151121日(土) ・18:00-20:00

 

KANA KAWANISHI GALLERYは、2015年11月21日(土曜日)より、『都市—Cityscapes/Residences』と題し、都市や住宅をテーマに国内外で活躍する写真作家4名のグループ展を開催いたします。大勢がその中で暮らしを営み経済基盤を支えている存在ながらも、定義の曖昧な「都市」という枠組みですが、本展では「都市」及び「住宅」を主な被写体に選択して作品制作を行なう4名のアーティストの作品を通じて、その姿を捉えなおすことを試みます。

 

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菊地良太(きくち・りょうた)は、1981 年千葉県生まれ、東京藝術大学先端芸術表現科在籍中。フリークライマーとしての経験を活かし、公共空間の様々な場所に上り自身も映り込むことで、普段見慣れたはずの都市空間やランドスケープに、新たな着眼点をもたらす写真作品を制作しています。街灯やモニュメント、時計台や交通標識などはその役割を担っていながらも、景色の一部として我々の認識から半ばその存在を消しながらそこに在り続けます。菊地は、自身がそこに昇り写真に収めるという簡潔な制作方法にて、そのような曖昧な認識の境界線の存在を、私たちに気付かせているとも言えます。

 

 


 

水木塁(みずき・るい)は、1983年京都生まれ。2006年に京都市立芸術大学美術学部漆工科卒業。2013年に同大学の美術研究科博士課程メディアアート領域を満期修了退学。近年の主な展覧会にPARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭 特別連携プログラム「still moving」(2015)、「NIPPON NOW Junge japanische Kunst und das Rheinland」 (2014) 等。写真表現を用いながら、サブカルチャーやストリートカルチャーなどの価値観を作品に転回することで、「制度」に問題提起を促す作品を制作しています。

 

本展出展の《Flight in the cage》は、作家の居住場所近くの動物園にて「檻の中の鳥」を撮影して、その後、公営スケートパークのボールにその鳥をプロジェクターで投影して、再度写真撮影することで制作されます。「社会」と「スケートボード」というモチーフを巧みに交錯させながら、抑圧の構造を可視化させていると言えるでしょう。

ジェレミ・ステラは、1979年フランス生まれ、東京在住。カメラマンとしてガーディアン紙、エル誌、ビジネスウィーク誌、テレラマ誌、リベラシオン紙等の撮影を行ないながら、日本国内の有名建築家による住宅を撮影し続けたシリーズを《東京の家—tokyo no ie》として作品発表。初写真集『東京の家—tokyo no ie』(フランス/Le Lézard Noir刊)は初版完売、日本版が青玄舎より2015年冬に発売予定。

 

《東京の家—tokyo no ie》シリーズは、著名建築家による住居の外観を捉えた建築の写真でありながらも、近隣の住人たちの生活の息吹が垣間見えた瞬間を切り取っている点において、いわゆる「建築写真」とは明らかに異なります。あくまでも「住宅建築のある、東京の風景」としての作品群は、東京という都市のなかで新たな息吹を得ていく建築の表情を捉えていると言えるでしょう。

ミナミ・ノリタカは、1981年大阪生まれ、シカゴ在住。カリフォルニア大学バークレー校卒業、カリフォルニア大学院アーバイン校・修士課程修了、現シカゴ・ロヨラ大学准教授。主な個展にグリフィン写真美術館(アメリカ・マサチューセッツ州)、UCLA建築都市デザインギャラリー(アメリカ・カリフォルニア州)等。2015年秋、初の写真集『1972: Nakagin Capsule Tower』をKEHRER(ケーラー)社より刊行。

 

2010年から2015年まで5年間を掛け、黒川紀章設計によるメタボリズム運動の代表的建築である中銀カプセルタワービル内に居住空間として利用される各カプセルの内部を撮影。1972年竣工当時は最新機器を取り揃えた未来的デザインとして多くの話題と羨望を集めながら、そこから40年以上が過ぎた現在は、建物の深刻な老朽化やアスベスト使用に伴い、建替えに揺れ動いてもいます。本作品は、戦後の高度成長の最中に最先端の未来のビジョンを詰め込んだ建造物が、現代の時間軸に独特なレトロ感を持って立ち現れる様を示しているとも言えるでしょう。

 

 

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「都市」という枠組みは、多くの人々がその一部を構成しながら存在する集合体でありながらも、その言葉の定義すら曖昧な、じつに全容の捉えづらい存在であると言えます。

 

国内外のアーティスト4名による、都市風景及び住まいの姿を収めた写真作品を集めた本展が、このようなテーマにおける新たな気付きを得る場となりましたら幸甚です。

 

是非とも皆さまのお運びをお待ちしております。

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