相澤安嗣志 個展

『Transparent Distance』

▼オープニングレセプション

9月28日(土)18:00〜20:00

■会  場   

KANA KAWANISHI GALLERY

 〒135-0021  東京都江東区白河4-7-6 

■会          期               

2019年9月28日(土)~ 2019年10月19日(土)

火〜金:13:00〜20:00|土:12:00〜19:00(日/月/祝休廊)

※お知らせ

台風19号の接近により、10月12日(土)は終日臨時休廊とさせていただきます。ご不便をお掛け致しまして恐れ入りますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

© Atsushi Aizawa, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

KANA KAWANISHI GALLERYは、2019年9月28日(土曜日)より相澤安嗣志個展『Transparent Distance』を開催いたします。

 

2017年の個展『No Man’s Land』では、人間と自然の間に生じた中間領域をテーマに、錆・土・コンクリートなどのマテリアルを用いて作品を制作した相澤ですが、本展『Transparent Distance』では、アーティストとしてのキャリアを開始した当初から起用してきた鉄のなかでも「有刺鉄線」をモチーフに、人間のつくりだす中間領域に軸を置いた展覧会を開催いたします。

 

相澤が学生時代から一貫してメディウムとして起用してきた鉄の起源は、宇宙を誕生させた137億年前のビッグバンにまで遡り、約46億年前に形成された地球の質量の約3分の1をも占めています。約27億年前に生まれたシアノバクテリアが酸素を生み出してからは、鉄が酸素と結びつくことから、鉄から酸素を得てエネルギー源を得る生物の進化に大きく貢献し、文明の進歩にも寄与をしてきました。*1

 

一方、この鉄を用いた有刺鉄線は1865年にフランスで最初に発明され、次いで1874年にアメリカの発明家ジョセフ・グリッデンによって発明されました。*2 テキサス州マクレーンには、有刺鉄線の博物館「デビルス・ロープ・ミュージアム」が存在しますが、アメリカで有刺鉄線は、牧場や農場の境界を示す柵に用いられたことから、西部開拓時代を語る上でのキーワードの一つとなっています。*3

 

本展では、有刺鉄線と自然の土壌や、有刺鉄線とコンクリートなどのマテリアルを掛け合わせた半立体作品や、インスタレーションを展開いたします。宇宙の起源にまでルーツを持つ鉄のなかでも、人間同士のテリトリーを象徴的に示す「有刺鉄線」を素材に起用しながら、人間がつくりだす境界を作品として昇華させる相澤の新作に、是非ご期待ください。

© Atsushi Aizawa, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

アーティストステートメント

人間は境を設けたがる。

 

有刺鉄線、柵、杭など、人間は様々な道具を使い、空間の分割、土地の境界線の策定などを行なっている。往々にしてこれらは、身体を不寛容なやり方で空間に配置することを意味する。

 

例として有刺鉄線があげられるが、それは暴力的な装置としての側面を持つことは、歴史を省みれば明らかである。アメリカ・インディアンの土地封鎖、キューバ独立戦争や南アフリカ第二次ボーア戦争などの住民包囲、第一次世界大戦での塹壕防備、ナチスの強制収容所での監禁。様々な要求を満たし、日常の中で扱いやすく、保護、防備、監禁などあらゆる用途に使えるだけの柔軟さがある。田園地帯では耕地や牧草地で、都市部では危険物指定された工場や、兵舎、刑務所、あるいはセキュリティの不安を覚える住宅の壁の上で、更には、緊張下にある国境地帯、戦場で用いられている。有刺鉄線を含む境界として機能する物は、空間の政治的管理における、様々な差異を顕在化させる指標として機能しているのである。そして、境界画定手段の攻撃的な外観が、二つの相異なる空間・住民の間に階層的差異を産みだし、同時に境界を踏破しようとする様々な試みを斥けるのに役立っている。

 

昨今では、空間の隔離には植物が利用されることもある。植物の中に有刺鉄線を隠してカモフラージュしたり、さらには、鋭い棘を持つ植物を中心に選択された自然植物でつくる防御用垣根などもある。周辺の環境にうまく溶け込み、鑑賞にも優れていながら、外部からの侵入を許さないのである。

 

これらの手段に付随する象徴性を軽減することによって空間的制限を増加させ強化すること、また、本物か見せかけかは別として露骨なまでに攻撃的な手段を示すことによって、隔離を厳しくすることは、支配者と被支配者間の関係を示す信頼性の高い指標となるのだ。

 

しかし、一般的には皆、被支配者であるが、当事者たちはそれをあまり気に留めない。ゆえに、空間の境界は透明性を持って、私たちの周りに潜在している。

 

私はこれら境界画定手段を用いて境界の透明な距離を探り、個人史から戦争、歴史、植民地主義などにおける私情や関心を込め、様々な中間領域を考察する。

 

—相澤 安嗣志

アーティストプロフィール

相澤 安嗣志(あいざわ・あつし)

 

1991年、神奈川県生まれ。2011年多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻入学、2015年同学部情報デザイン学科メディア芸術コース卒業。日本画とメディア芸術の両方を学んだバックグラウンドを活かしながら、自然界に存在する見えない力を視覚化させる。主な個展に『The Discoveries from A Certain Fable』(2019年、コートヤードHIROOガロウ、東京)、『No Man's Land』(2017年、KANA KAWANISHI GALLERY、東京)、『Self Do, Self Have』(2016年、コートヤードHIROOガロウ、東京)、『Effect』(2015年、ソノ アイダ #1、東京)など。グループ展に『IN YOUR BONES』(2018年、Socato Gallery、ポーランド・ブロツワワ)、『Oasis』(2017年、品川インターシティ、東京)、『STAND ALONE展』(2016年、GALLERY HIROUMI、東京)など。2015年「FUTURE CULTIVATORS PROGRAM」にて大賞受賞、同年「第2回CAF賞」にて入選。

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